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余談① ネクタイは一択

信用調査会社の調査員の間では、気を付けるべき街というのがいくつかある。西新宿界隈や百人町界隈、その他色々と点在しているが、私にとって新宿御苑前も同じにおいを感じるエリアだった。(まったくもって主観です)

オンラインサービスを申し込みたいと、向こうから電話で依頼してきたその会社は、Web制作の代行などを請け負う新興の会社で、従業員は5名内外の小規模な会社であった。一通り商品説明を終えて申込書に捺印。インバウンドでも新規成約はうれしいものだ。

なぜか新宿御苑前が心地よくなかった私は、足早にオフィスに戻り、上長に成約の報告をすませた。

東上野で未収金発生未遂の事故を起こした事もあり、これまでよりも回収状況に気を付けるようになっていた私は、その会社の利用実績と支払い履歴について、特に注意して確認していた。1月が経ち、2月が経ち、月間2万円弱の利用料金は問題なく支払われていた。

一安心かと思い、監視の目を緩めた矢先、3か月目、4か月目と未収金が積みあがっていた。また、「おい、未収金リストに名前が載ってる」と言われ、現地の状況確認に向かう。

新宿御苑駅からほど近いビル。会社へのエントランスは、がっちりとロックされており、もちろん電話もつながらずコンタクト不能。ビルの管理会社に連絡するも、当社の足取りはつかめなかった。暫時経過して、倒産速報に当社の名前が掲載され、自身初めての不良債権を体験。「なにやってんだ!」と怒られ、不良債権確定の為に最終現地確認。相変わらずロックされたままだ。

「あ~、始末書面倒だなぁ」と思いながら歩いていると、「ネクタイのワゴンセールでーす!一本500円からですよー!」と呼び込みの声がする。その会社の事務所前で行われている、即席の即売会といったところで、すぐに社名を調べてみる。”伊勢丹メンズ館でも販売されるXX服飾のネクタイは、高品質で日本の職人が・・・・”

これが刷り込み効果になってか、確かに手に取るネクタイは500円や1000円のものとは思えない品質。生地も照りがよく、芯もしっかりしている。

不良債権を確定させた男が、夢中でネクタイを選ぶ。そんな日があってもいい。

結局、その日は5本ほどネクタイを買った。それ以降、ワゴンセールがある度に律儀にはがきでお知らせをくれる。

現在本社な中野に移転したらしく、直近のワゴンセールは新宿アルタの地下街だった。私のワードローブには、現在ネクタイが30本程ある。30本は整理したので、計60本内外のネクタイは、全部このワゴンセール品。フランコ〇〇〇〇というブランドのこのネクタイは、伊勢丹メンズ館では1万円近くで販売される代物。

みなさんも見つけたらぜひ手にとってみることをお勧めします!

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