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緊急提言:中国企業の決算書を入手せよ

大手企業の倒産続発

 私が参考にしているYoutubeチャネルに、妙佛 DEEP MAXというのがある。中国での社会やビジネス、その他包括的な情報を、中文メディアを徹底的に調べる事により収集し、日本の視聴者に役立つような情報発信をされている。そのチャネルにおいて、恒大集団を筆頭とする大規模不動産業者の倒産情報が報じられてきたが、今回のニュースは”またか”というマンネリ感を払拭するのに充分に衝撃的なものであった。

 同チャネルが参照されたであろう元のソースを掲載するので、社名を出して問題ないと判断するが、倒産したと報じられる企業は南栅国际公司である。香港系企業とされる同社は、高品質な文房具を武器に一時、世界シェア60%を確保した事があるとも聞かれる大規模会社だ。

元ソースから引用

倒産を見抜けぬ信用調査

 この会社の倒産は、その薄利多売ビジネスが立ち行かなくなったことが原因のようだが、前のブログでも言及の通り、中国政府の情報開示規制から、粗利益率や経常利益率を算出する為に必要な詳細決算書は、通常ルートでは入手が難しくなっている。また、貸借対照表も要約される為、手元現預金の状況も分からず、キャッシュフローを推計する事もほぼ困難と言える。

 そうした難しい環境もあっての事とは思うが、残念な事に本日現在においても、东莞虎门南栅国际文具制造有限公司は優良企業であるという評価をしている信用調査会社もあるようだ。

取引当事者である皆さんに求められる事

 この事例から、貸借対照表の要旨や、損益計算書の要旨しか網羅できていない信用調査報告書から、相手先の倒産リスクを感じ取るのは難しいという事実が露呈した。(中国に限る。他の国ではクレジットビューロが機能している。)やはり、経年の流動性、安定性の変化。キャッシュフローの推計による分析を行わない限り、倒産に至る兆候を読み取るのは難しい。

 なお、決算書が入手できるようになるのは、その集計が完了してから5~8か月後であり、もはや経営実態を反映していない。あくまで傾向を類推する為という意である。

中国企業の決算書を入手せよ!

 私が知る狭い範囲だが、クレディセイフ企業情報は恐らく業界で唯一、中国企業のフルの決算書を入手するルートを構築している。詳細はぜひお問合せ頂きたいが、費用も数万円程度。上述のような事例を受けたうえでその情報価値考慮すると、決して高いとは言えない。

 コロナ禍でみんな辛い思いをしている日本企業が、これ以上中国企業とのビジネスによって不良債権処理のような後ろ向きの仕事に巻き込まれることが無いよう、信用調査会社が提供している有益な情報は、ぜひ積極的に活用して頂きたい。他社のサービス紹介で恐縮だが、そう切に願いながら緊急提言させて頂く。

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