NRating概要

評価モデル概要

中村格付研究所の企業信用評価モデル

NRatingは、定量・定性の両面から企業の信用状態を評価する独自モデルです。信用スコア(NRating)・倒産確率(NRPD)・与信限度額・ESG評価の4指標を統合し、取引可否と限度額の判断を支援します。

01 NRating — 信用格付スコア

定量+定性のハイブリッドモデルで
企業の「格」を評価する

NRatingは、財務データによる定量評価に加え、企業立地・資本背景・評判リスクといった定性情報を加味したハイブリッドモデルで、対象企業の全体的な信用程度を表します。倒産予測とは異なり、不良債権リスクよりもレピュテーションリスクを重視した設計です。中央値3点を基準に、以下の要素が大きくマイナスに作用します。

主なマイナス評価要因

  • ブランドイメージを悪化させる不芳情報の発生・巨額賠償金負担のリスク
  • 企業規模・事業内容と所在地の属性不一致(住宅街に本店を置く自称大企業など)
  • 個人株主による少額出資企業・外国資本による低投資企業
  • 事業活動に不可欠な資産の毀損、法令に基づく事業の制約
リスク区分 取引方針の目安
5Very Low Risk取引関係の構築に懸念がなく、積極的な事業提携が期待される先。
4Low Risk取引関係の構築は可能で、協業分野の拡大も検討できる先。
3Moderate Risk取引は可能であるが、推奨与信限度額の範囲を守るべき先。
2High Risk与信リスクを抱えた取引は推奨されず、決済状況をモニタリングすべき先。
1Very High Risk取引関係を避けるべき先。
NRNo Rating情報不足により信用程度の評価が不可能な先。
02 NR与信限度額 — 推奨売掛金上限の算出

財務諸表から算出する
「売掛金の上限」を数値で提示

与信限度額は、取引先企業の財務諸表をもとに、推奨される売掛金の最大金額を算出します。取引全体に対する全体与信限度額(Gross)と、売上規模から推計した取引先数をもとに算出する単体与信限度額(NET)の2種類を提供します。クライアント側の財務状況によって許容できる金額は異なりますが、与信判断の「物差し」として活用できます。

算出ロジック — Gross与信限度額

全体与信限度額 =
 現預金 × 50%
 + 売掛金 × 70%
 − 買掛金 × 50%
 − 調整後短期借入金 × 50%

全体与信限度額(Gross)
取引先全体に対して許容される売掛金の最大総額。財務数値をもとに算出。財務諸表がない場合はNRMFS(推計財務諸表)を使用。
単体与信限度額(NET)
Grossを売上規模から推計した取引先数で割り、一社あたりの推奨上限額を算出。取引判断(承認・要注意・否決)の基準値として活用。
03 NRPD — 12か月デフォルト確率

倒産確率を数値化し
与信判断の客観的根拠にする

NRPDは、財務構造の健全性を評価するNR構造スコア(NR-S)と、収益性・負債依存度・流動性を複合的に評価するNR体質スコア(NR-C)の2軸を交差させる独自モデルにより、対象企業の向こう12か月以内のデフォルト確率(Probability of Default)をレンジで算出します。財務諸表がない場合でも推計財務諸表(NRMFS)を用いた算出が可能です。

NR構造スコア(NR-S)
財務構造の健全性
運転資本の充実度・内部留保の蓄積・収益力・資産効率を評価。企業の長期的な財務耐性と構造的安定性を測定します。
NR体質スコア(NR-C)
財務体質の健全性
総資産利益率・総負債比率・流動比率を複合評価。NR-Sが捉えにくい資金繰り型リスクや負債体質リスクを補完的に検出します。
Safe Zone
財務構造が健全。統計的デフォルトリスクが低い
Grey Zone
中程度の不確実性。追加的な定性評価が必要
Distress Zone
財務構造に重大な脆弱性。高いデフォルトリスク
NRPD Web App — セルフサービスで今すぐ試す 財務諸表PDFをアップロードするだけで、NRPDレンジ・与信限度額・取引判定・分析コメントを数分で取得。トライアルは無料(5回)。
無料で試す
04 NR ESG評価 — 信用判断の新たな軸

ESGは、これからの与信判断に
欠かせない評価軸になる

環境・社会・ガバナンス(ESG)への対応は、企業の長期的な存続リスクに直結します。規制強化・サプライチェーン管理の厳格化・投資家の目線変化を背景に、ESGは信用格付けの中核を占める業界潮流となりつつあります。中村格付研究所では、NRatingとは独立した補助指標として、全案件にESGグレード(A〜E)を付与します。

評価対象:E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の3カテゴリ

  • E — 環境:環境方針の開示・脱炭素化への取り組み・環境法規制違反の有無
  • S — 社会:ハラスメント防止体制・労働争議の有無・従業員関係の安定性
  • G — ガバナンス:独立取締役の有無・コンプライアンス体制・不正・制裁リストへの該当

2トラック評価体系

Track ① Standard
開示ベース評価(90点満点)
上場企業・ESGレポートあり・大手企業に適用
  • E: 環境方針の開示
  • E: 脱炭素・再生可能エネルギーへの取り組み
  • E: 環境法規制違反チェック
  • S: ハラスメント防止・内部告発体制
  • S: ダイバーシティへの取り組み
  • S: 労働争議チェック
  • G: 独立取締役の有無
  • G: コンプライアンス・行動規範
  • G: 不正・反社会的関係チェック
Track ② Indicative
行動ベース評価(70点満点)
非上場中小企業・ESG開示なし・新興国企業に適用
  • E: 環境法規制違反チェック
  • E: ISO 14001等の環境認証取得
  • S: 労働争議チェック
  • S: 従業員関係・人員安定性
  • G: 制裁リスト・コンプライアンスチェック
  • G: 財務情報の透明性
  • G: 不正・ネガティブニュースチェック

ESGグレード(両トラック共通)

Grade 標準化スコア 解釈
A89%–100%Strong ESG performance — 積極的に開示・対応している先。
B72%–88%Good but some weaknesses — 概ね良好だが一部課題が残る先。
C56%–71%Limited disclosure — 開示・対応が限定的で透明性に懸念がある先。
D39%–55%Weak transparency — 複数のリスク指標が確認される先。
E0%–38%High ESG risk — ESGリスクが高く、取引に際して要注意の先。

採点ルール(4分類)

10
問題なし・
明確に確認
5
一部懸念、または
検索済みで証拠なし
0
違反・不正が
確認された場合のみ
N/S
情報源なし・
適用外(分母除外)

※ NR ESG評価はNRating信用格付けとは独立した補助指標です。ESGグレードがNRatingスコアを直接調整することはありません。「情報がない=0点」ではなく、ネガティブ証拠が確認された場合のみ0点となります。

4つの評価指標を実際の取引判断に活用する

NRating・NRPD・与信限度額・ESG評価を組み合わせた企業信用調査レポートの依頼、またはNRPD Web Appでのセルフ利用。どちらでもご対応できます。